コップ座
名称 | コップ座 |
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学術名 | Crater |
略符 | Crt |
設定者 | プトレマイオス |
季節 | 主に春 |
隣接する星座 | しし座 ろくぶんぎ座 うみへび座 からす座 おとめ座 |
神話
酒神・ディオニュソスの杯
コップ座はからす座と一緒に、うみへび座の背中に乗っているように描かれています。
コップ座は古い星座でギリシャ時代につくられました、このコップは、ギリシャ神話に伝えられている酒神・ディオニュソスがもっていた杯だと言われています。
ディオニュソスは、ゼウスとテーバイ王の娘セメレとの間に生まれ、半分はゼウスの血を引いています。
ある時、ディオニュソスは海辺に座って笛を吹いていたら、近くを通りかかった漁船に捕らえられてしまいました。
ディオニュソスは立派な身なりをしていたので、奪ってしまおうという魂胆です。
ディオニュソスを船のマストに縛り付け、身代金も取ってしまおうと、住んでいるところは何処かと問い詰めます。
ところが、ディオニュソスは黙って海賊達を眺め、ただ微笑んでいるだけです。
その時、ひとりの若い男がディオニュソスの縄を解いてやろうとします。
しかし、ディオニュソスは「その必要はない」と言うではありませんか。
すると、辺りには美しい音色が流れ出し、ディオニュソスを縛っていた縄は勝手にほどけて、見る見るうちにブドウのつるへと変わっていきます。
ブドウのつるはたちまちマストや帆に絡まっていき、やがて船は動けなくなってしまいます。
そればかりでなく、ディオニュソスの周りには鳥や獣達が現れ、周りを固めて海賊たちを寄せ付けません。
驚いた海賊たちは海に飛び込んで逃げようとしますが、手足はひれに変わり、体は鱗のない、ツルツルの魚のような姿になってしまいます。
このディオニュソスが愛用していた杯がコップ座となっています。